農心杯オーダー予想

再来週から日中韓の国別団体勝ち抜き戦である農心杯が始まる。日程は第1ステージ(第1-4局)が11月25-28日、第2ステージ(第5-10局)が明けて1月18-23日、第3ステージ(第11-14局)が3月9-12日である。農心杯は今回が11回目。これまでの優勝は韓国が8回、日本と中国が共に1回である。

今回の日本チームのメンバーは山下棋聖、井山名人、羽根本因坊、高尾九段、山田規三生九段の5名である。現時点でのベストメンバーである。少し前から国籍主義になったので、張栩4冠は残念ながら出場できない。いつも期待して見ているのであるが、ここ3年は最高でも2勝止まりで最下位に甘んじている。今回はいつもにも増して期待している。

団体勝ち抜き戦で面白いのが、メンバーの出場順序であろう。誰が出てくるかは対局直前まで秘密である。中韓では国際戦の価値が国内戦よりも優る。したがって、両チームとも戦略を考えて順番を決めているのであろう。それに対して、日本では国内戦が国際戦に優先する。したがって、戦略以前に国内戦の日程を見ながら出場順を決める必要がある。国内のタイトル戦と日程が重なる場合、国際戦には出場できない。

このことを勘案して、出場順を予想してみたい。まず、国内戦の現状および予定を把握する必要がある。山下棋聖は現在、天元戦の挑戦手合中であるが、第1ステージは第2局(11月19日)と第3局(12月3日)の間に挟まっており、残りの対局も重なっていない。一方、年が明けると棋聖戦の挑戦手合が始まる。例年、1月15日前後の水、木曜日から始まる。今回は第1局が1月13、14日と予想される。2局目以降はそこから2週、1週、2週、、、おきに開催される。第2ステージは第1局と第2局の間に来ることが予想されるが、かなり慌ただしい。第3ステージは第6局と重なりそうである。

羽根本因坊と山田九段は共に11月26日にそれどれ王冠戦と王座戦の挑戦手合が組まれているので、第1ステージには出場できない。全ステージに渡り最も暇なのが井山名人である。次に暇なのが高尾九段で、十段戦の勝者組の頂上で敗者組の勝者を待ちかまえているところである。挑戦者になっても、挑戦手合は3月までない。

以上から、第2ステージ以降忙しくなる山下棋聖が先鋒となる確率が高いと考える。次鋒は井山名人と高尾九段が候補となる。ここ1、2年は国際戦に勝てるようになってきた高尾九段ではあるが、ここは勢いを買って、井山名人を推したい。そうすると中堅が高尾九段と予想される。最後に、副将と大将である。ここ数年、国際戦で厳しい碁を打ち、勝率を上げつつある羽根本因坊に大将を任せてみたい。残る副将は山田九段となる。

私の予想をまとめると、次のオーダーとなる。

 山下棋聖
 井山名人
 高尾九段
 山田九段
 羽根本因坊

さて、皆様の予想はいかがでしょうか?

かささぎ

(2009.11.15)


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