(財)日本棋院へ愛着を込めて

私は囲碁と棋士を敬愛している。だから日本棋院にも愛着があるし、長年会員でもある。でも時折イライラが募ることがある。日本棋院が、最も重要なファンサービスをなおざりにしていることが少なくないし、しかもそれを指摘してもなかなか改善されないからだ。

1つだけ例を挙げよう。恒例の年末セール。私は地元の友人に頼まれて(と言うより、皆に購入を薦めて)来年度の囲碁手帳を今年も14冊注文した。以前は代金引換で宅配してもらっていたが、昨年からインターネット注文に切り替えた。しかし注文画面のどこを探しても会員番号を記入する場所がない。30分以上にわたる悪戦苦闘の末、ネットを離れて電話で係員をたずね当てて質問した。ところが担当者は、「ネット注文の場合は会員割引が適用されません」と平然とのたまうのだ。昨年はうっかり見逃して支払ってしまったが、今年は当然文句をつけた。「そんな馬鹿な話はないでしょう」。

実は昨年も手帳の販売時期が当初予定からどんどんずれて友人への配布に苦慮した。今年もまた、訂正があるからとか何とか、配送まで時間がかかるらしい。ま、それはいい。問題は、「ネット注文の場合は割引はなし“となっています”」と当然のシステムだと言わんばかりに一方的に伝えて何の疑問も持っていない点だ。これでは悪名高き三流ファミレスの応対と同じではないか。要するに、事に当たって柔軟に対処する「人間としての知性」とか「当事者意識」がまるで感じられないのだ。そんなことなら、受付応対をすべて機械化したほうがましだ。

今日ばかりは “うるさ型”に変身。棋院側スタッフの望ましい応対例を具体的に記そう。
1.ネット注文に限って会員優遇が適用されないのは確かにおかしい
2.何よりも、お客様にご指摘いただくまで気付かなかったこと自体がとても恥ずかしい
3.自分は●●部所属の何の何某と申すが、早急に関係部署に連絡して善処する
4.取り急ぎ、お客様には、当然ながら割引をしたうえでご注文をお受けする
——特に重要なのは、1と2。ともあれ客と一緒になって最善手を探し、着手して欲しい。

この種のイライラは今回に限ったことではない。その都度担当者に顛末を説明して善処をお願いした。しかし、少なくとも手帳販売については何ら改善されているとは思えない。こうした個別の問題を誰の目にも触れる可能性がある場に上げるのは私自身躊躇するし、たまたま止むを得ない事情があったのかもしれない。しかし日本棋院は公共性を求められる立場。ここ数年来いろいろな改革にも手をつけておられるはずだ。事はネット注文における不首尾にとどまらない。棋院の役割をもう一度原点から見直して、全員一丸となってファンサービスを徹底する気持ちを盛り上げて欲しい。

亜Q

(2005.11.22)


もどる