亜Qの迷宮~その2

再掲図

 我が棋譜ながら、見れば見るほど恥ずかしい。令文先生と、その後にうかがう機会があったアマ高手の意見を取り混ぜて皆様からのご指摘にお答えさせていただきます。

 まずは、たくせんさんご指摘の黒2。アマ高手によると、小目、1間高ガカリのツケヒキ定石と比べて1路右に寄っているのだから、「喜んで黒7にツケルべし」と明快なご託宣でした。
愚生は、黒7にツケルた場合、白3では4-十四にオサエてくれればいいけれど、4-十六などと乱暴されるのを心配してしまいました。「どうせ乱暴されるなら広い方からツケて右方への発展を期待しよう」と外ヅケを選びました。白5では5-十四へのカタツギまたは5-十三カケツギと想定、カタツギなら4-十六と白の足元をすくい、カケツギなら7-十四から二段バネして下辺から右辺に広がる模様で勝負。いずれにせよ白は地に足が地に足がついていない状態で、その後を闘えると思い込みました。実戦は案に相違して白5ノビキリと意表を突かれましたが黒6と切って打てなければ手合い違いということでしょう。

 次は梵天さんご指摘の黒10。アマ高手も「何しろここでは左下の実利が双方の根拠と絡んで急場だった」と断言されました。黒がこの三々へ先着すれば、白は黒からいつでも3-十四からのツケコシを見られているから9の石から左辺方面へ先行しにくい。結局3-十六などと受けてもらえるなら地合いが大差でした。

 次の黒14または黒16でも3-十四、3-十六をセットにしたツケコシから急戦に持ち込むチャンスだったようです。黒14ではまだしも8-十一あたりから石を持って行きたいとのたくせんさんの考えも左上が豊かになりそうですね。このあたり、我ながら何を考えていたのかほとほと愛想が尽きるばかり。ところが碁は広い。黒14、白15と代わって黒16からのツケヒキにプロは「しびれた」と告白してくれたのです。黒からのツケコシがいやだから白19は本来バックしなければならないが、「それでは辛過ぎるから仕方なく打った」そうです。

黒石だけで並べられた定石をあてる問題。回答者は令文先生と下坂先生。出題者は下島先生。

 次の黒22。この辺に1着入れておかないと白から6-九あたりにくすぐられるのが怖くて用心しましたが、梵天さん、かささぎさんのように先に9-八へボウシして主導権をとれば伸び伸びしているし、十分にやれたようですね。白は満足げに23にトビ、黒24を見て「ホッホー」なぞと余裕の相槌を打ちながら白25、27とおとなしく打たれました。

 さて、ここで黒28をどこに打たれますか。私が打った手はきわめて中途半端な手でしたが、後から見るともしかすると“怪我の功名”になったと言えるかもしれません。

亜Q

(2011.11.7)


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