日韓碁界の架け橋、金姉妹に注目 〜三星火災杯予選〜

 7月29日から1週間、韓国棋院で行われる三星火災杯・世界 オープン戦国際予選には、現在の日本棋界を代表するビッグネ ームとベテランクラスの不参加が目立ちます。しかしこれを視 点を変えて見れば、明日の棋界を背負って立とうという日本そ して韓国、中国、台湾の若手達がスターへの登竜門となる切符 を手にするために挑戦する格好の場になっているとも言えそう です。

 中でも私が注目しているのは、金姉妹の活躍です。姉の賢貞 (日本棋院三段、24歳)と妹の孝貞(韓国棋院二段)が日韓に 分かれ、それぞれ韓国の八段、日本の九段(小松秀樹氏)の胸 を借りる。その結果もさることながら、人類最高の知的文化( 私の強い思い込み)である囲碁を通して、日韓ひいては世界の 架け橋となるべき象徴的な存在だと思うからです。

 姉妹は予選に先立ち、日本棋院長野県本部の主催で7月15日 から1週間、志賀高原で開かれた「サマー囲碁カーニバル」に 参加、姉妹公開早碁対局、棋力アップ講座、アマ棋客への指導 碁などをこなしました。特別参加となった妹の孝貞二段は日本 語も少しは通じ、初めて立ち会う日本のプロアマ交流に目を輝 かして「また来たい」と約束してくれました。

 姉の賢貞三段が所属する日本棋院中部支部ではこの6月、若 手棋士が韓国を訪れ、富士通杯で活躍した朴永訓三段、宋泰坤 四段(16)らを含む韓国若手強豪と対抗戦を展開、ほぼ互角に打 ち分けたそうです(副キャプテン格の下島七段は6勝7敗)。 韓国強しと言えども、その差はまさに紙一重。韓国生まれの賢 貞姉に率いられて中部支部から意気高く参加する中根(30歳) 、下島(24歳)両七段、川田三段(23歳)らの活躍も見逃せま せん。

亜Q

(2003.7.26)



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