第10回 湘南ひらつか囲碁まつり

女流3人娘
女流3人娘
サインを頂いた扇子
サインを頂いた扇子

平塚は(囲碁ファンには)言わずと知れた木谷道場のあったところ。一時、木谷実さんの弟子たちが、囲碁界を席巻し、相撲番付で言うなら、幕内の過半数を占め、取り組みができないような状態が長く続いた。特に三役は独占状態であった。例外は林海峰さんくらいだったか。そのこともあって、市をあげての囲碁まつりである。もちろん木谷門下会が後援。

雨模様の中、わたしたちが会場に着いたときは、12時21分ころ。やけに細かいことを言うが、中心になる1000面打ちの申し込みが12時20分で締め切り。わたしと濱野先生は参加できなかったのだ。他の人は事前に申し込んだり、早く来たので打てた。しからば、囲碁講座を聴こうとしたら、雨で中止。わー、見学しかないではないか(涙)。

会場に棋士72名(?)が入場した。先頭は高尾紳路(たかおしんじ)本因坊。

Oさんがうまく打っていた。大竹先生かその碁を見てOさんをほめ、プロ棋士に投了を催促した。ただうまく打ったばかりでなく、大竹好みであったのであろう。スイスのD君は碁罫紙に棋譜を記録、そういうことをしている人は他にはいなかったなあ。そのせいもあるのかプロ棋士に大もて。

終了後、別会場でプロアマ合同の懇親会。この時も冒頭の挨拶は若い高尾本因坊。考えてみると、出席プロ棋士ではトップなのであった。挨拶も遠慮がちに「藤沢先生が来られなかったので、その代理で…」

碁の段は九段が一番上で、昔は九段即ち名人であった。だが、いまでは109人もいて、単なる段になってしまった。その中に一流と言われる人たちがいる。10〜20人ほど。その中に超一流といわれる特別な人がいる、2〜3人だ。相撲で言うなら横綱である。

高尾さんは大関で優勝して、来場所横綱に挑戦する位置にいる。それでも、大竹・武宮・小林・石田・趙という元横綱の居並ぶ前では遠慮がち。

わたしたちはアマの特権で、この元横綱たちに話しかけ、サインをねだったりしたが、他の棋士たちはその周りには近づかない。大会の華の女性棋士たちは隅にかたまって小さくなっている。実力の世界でもあるが、同時に序列の世界でもあるのだな。

わたしが扇子の裏に元横綱たちのサインをもらい、ある顔見知りの棋士を見つけて近づいた。「サインを…」とお願いすると、元横綱のサインをみて、「この方たちと並んではとても書けません。またの機会にしましょう」
元横綱に十両の名を並べることを遠慮する。

女性棋士は、そういう遠慮は要らないようだ。むしろアマチュアへの普及になるので、元横綱も気にしないらしい。何人かにお願いした。

たくせん(謫仙)

(2005.10.10)


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