ディジョンの囲碁クラブ

1局目、2番目のバーで打った相手。右の袋が碁笥。
国際会議に出席するため、フランスのワインとマスタードで有名なブルゴーニュ地方の中心地ディジョンへ行ってきました。会議はまだ続いていたのですが、自分の発表が終わったので少し早めに抜け出して、とはいっても、夜の8時を回っていたのですが、ディジョンの碁クラブを探訪に出かけました。すでに、ビールとワインは入っていました。事前にインターネットで調べたBerbisey通りのMcCarthy'sというバーの所在地をホテルで尋ね、その場所に行きました。

外から見ると碁を打っている気配はありませんでした。まだ少し時間が早いのかなと思ったのですが、とにかく店に入り、碁クラブについて伺いました。フランスは英語が通じないからいやです(英語もろくにしゃべれませんが)。フランス人はフランス語にプライドがあって英語を知っていても英語をしゃべってくれないと聞いていましたが、私の印象では英語が本当に苦手なのか、英語をしゃべるのにシャイになっているような印象です。店の客の一人が碁クラブについて知っていて英語で説明してくれました。その人は私に説明しながら、連れの人に、どうだ俺の英語はうまいだろと自慢していました。とにかく、その人の説明によると、冬にはここで碁クラブを開いていたが、いまは別の所でやっているということであった。今日やっているということなので、その店の場所と名前を聞いて、そちらに向かいました。

10分ほど歩いて、Les Hallesという市場の傍の細い路地の奥にそのバー"Chez Nous"を見つけました。入ってみましたが、ここでも、誰も碁をやっていません。それでも、客の一人が碁クラブのメンバーで、碁ミーティングは翌日で、今日は別の場所でやっていると教えてくれました。さらに、碁を打ちたいのかと聞いてきたので、打ちたいと返事したら、じゃあ打とうということになりました。期力を尋ねると、6級ということであった。私は日本の5段だ、ただし日本の5段はヨーロッパの5談と比べてはるかに弱いと答えました。それでも相手はやや気後れしたのか、私は6級だけれども、それでもまだ打ちたいのかと尋ねてきました。じゃあ、辞めときましょうとも言うこともできないし、どんな相手でも打ちたいと思っていたので、6子で対局しました。もちろんビールを飲みながら。相手はしっかり地をとってくるので、こちらは大石を狙いに行きましたが、結局とれずにて負けました。

3局目、ブルゴーニュ大学の学生。いい顔していますね。

対局の前に、今日は別の所で碁ミーティングをやっていると聞いていたのと、まだ、9時半ぐらいだったので、そこからまた10分ほど歩いて、会場であるdu General Fauconnet通りのバー"L'ANTREJEUX"に行きました。そこで、やっと碁盤が並べられて、いくつかの対局が為されている風景に出会いました。早速、ビールを注文して、お相手を願いました。相手は若い男性。2級ということです。手合割を決めるのが難しい。結局4子で対局することになりました。先の対局では負けているので、慎重に打ちました。相手の大石をしとめて勝ちました。次に打ったのはかわいい女の子。ブルゴーニュ大学で生物学を専攻していると言っていました。。6級といっていましたが、先の相手とは2子の手合とのことでした。6子で対局しました。先の相手よりは、基本がしっかりしているという感じでした。教科書に忠実な碁でした。数えて、2目負けでした。友達に2目の意味も兼ね、Vサインをして喜んでいました。かわいい女性に喜んで頂ければ、本望です。

碁を打っていると、クラブのメンバーが一人二人とバーにやってきます。来る人一人づつが、皆と握手です。女性に対しては、握手をして、さらに、頬を合わせて、チュ(音だけです)、反対の頬を合わせて、また、チュ。いい挨拶ですね。私もやればよかった。と、思ったのですが、後の祭りでした。1局目の対局でもそうだったのですが、碁盤は何とか我慢できますが、碁石と碁笥が粗末です。碁石は何製かわからないのですが、凄く軽い。紙粘土で作ったような感じです。碁笥は布袋です。もちろん揚げ浜を入れる碁笥の蓋はありません。テーブルに並べておくだけです。もう1局ぐらい打ちたかったのですが、11時半を過ぎており、次の朝も早かったので、ホテルに帰りました。

かささぎ

(2007.6.24)


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