棋士による東日本大震災チャリティー碁会

 3月26日(土)12時~17時【棋士による東日本大震災チャリティー碁会】が行われた。場所は、新橋駅から近い航空会館5階。呼びかけはアミーゴのブログであった。
 
 一週間ほど前に計画して、各棋士に呼びかけ、4日前に決定して会場を確保した(参考:棋士による東日本大震災チャリティー碁会)。参加棋士は山下道吾本因坊を筆頭に棋士15名である。
 山下道吾本因坊(34)、河野臨九段(30)、水間俊文七段(38)、松本武久七段(30)、張豊猷七段(29)、望月研一七段(27)、三谷 哲也七段(25)、大橋拓文五段(26)、王唯任四段(33)、安藤和繁四段(27)、万波佳奈四段(27)、中島美絵子二段(32)、万波奈穂 二段(25)、奥田あや二段(22)、長島梢恵初段 (26)。
 ついこの間までテレビの囲碁番組の時計係などを務められていた水間七段が最年長という若さ。
 このほか、日本棋院常務理事の信田成仁六段、棋士会長の小川誠子六段、インストラクターの稲葉禄子さん、囲碁将棋チャンネルでトーク番組を司会 される佐野眞氏らも特別参加された。
 アミーゴ代表幹事の梅沢由香里五段(本名の「吉原」姓に変わるらしい)は3月中旬に長男を出産されたばかりで欠場された。

 わたしがこの企画を知ったのは前日であった。それも亜Q師兄に教わったのだ。本来なら千寿会が開かれる日であったが、地震の影響で休会になっ た。そこでわたしも亜Q師兄と一緒に参加することにした。

 新橋に行くまでの電車が思うように動かず、予定より30分もよけいにかかってしまったが、早めに出たので11時半の開場には間に合った。
 受付には女流若手がならんでいる。

 
 手書きの文字も急いで企画したことを物語るか。
 入場料を払い、そこにならんでいたサイン入りの本を物色。1400円の本を2000円で買い、中に入って指導碁の申し込みをした。抽選であっ た。
 亜Qさんもすでに来ていて、二人で一度外に出て、パンと飲み物を買って戻る。
 この日集まったファンは約160名。ブログで4日前に呼びかけただけなのに、よくこれだけの人が集まったものだ。挨拶でも「もし棋士よりも少な かったらどうしよう」と冗談が出たほど。

山下本因坊の代表挨拶
 万波奈穂二段が司会、山下本因坊の挨拶紹介を抜いて注意されたり(^_^)。
 山下本因坊も「今日は挨拶をしなくていいのかと、ほっとした……」と笑いを誘う。
 いままでなら、姉の万波佳奈さんの役どころ。
 この万波奈穂二段はNHKの囲碁番組で聞き手をやっていて、かわいいので評判になり、碁を知らない人までこの囲碁番組を見ているという。

 わたしたちは二人とも抽選に当たり、指導碁を受ける。会場の後ろ半分では8人の棋士が6面打ちで合計48面打ち。
 会場の前半分では公開対局である。中島美絵子二段と安藤和繁四段の夫婦対決だった。
 安藤和繁四段は「勝ちにくいが負けるのも…」と複雑な心境での戦いらしい。聞いていて笑いが絶えない。
 わたしは背中で、公開対局の解説を聞きながら、松本武久七段の指導をうける。碁は佳境に入り、勝ちが確信できたので、その決定打の大ザルを打っ たら、これが敗着になってしまった。

 後半の公開対局は14時45分から。
 山下本因坊と河野九段という豪華対局。聞き手が万波奈穂二段であり、NHKの囲碁番組なみ。

 碁は白の本因坊の五五、黒の河野九段右下の趣向から始まり、途中で河野九段の大石が死ぬという展開になった。それなのに結果は一目半。解説を担 当した松本武久七段と三谷哲也七段も錯覚するほどの熱戦となった。

 激しく競り合う。
 
 途中で次の一手クイズがあり、これを当てて扇子を手に入れた。

 「無碍」 本因坊山下敬吾

 である。山下敬吾九段の本因坊就位記念の扇子だ。本因坊名は本因坊道吾(どうわ)なので、敬吾名は貴重になるかも。上の参加棋士名では山下道吾 本因坊である。

 終局図

閉会式 参加したプロ棋士たちの一部
 閉会後、後半の公開対局の記録係であった奥田あや二段と話す機会があった。
 せっかく記録に取ったので「幽玄の間」で公開しませんか。という話から記録の話になった。各棋士ともパソコンより筆記の方が楽という、アマのわ たしにはびっくりする話だ。
 奥田あや二段は亜Qさんとは顔なじみ。なにしろ小学生のころ千寿会に来ていた。残念ながら、わたしは千寿会の奥田あやを知らないのであるが、い までは女流のトップを争えるまでに成長している。将来が楽しみな棋士だ。

謫仙(たくせん)

(2011.3.27)


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