シューコー先生の次の一手(4)

白32は?
ヒント:チャンス。

シューコー先生がプロ棋士の着手を一刀両断された局面でアマチュアが「正解」を探るとは、思えば神をも恐れぬ不遜な挑戦とお叱りを受けても仕方がありません。しかし本書には二つの重要な救済策が示されています。一つは「この局面がポイントだよ」との指摘。そしてもう一つが、月から舞い降りた「かぐや姫(別名「シュー子姫」)の言葉」です。姫に恋焦がれるアマ男たちはこの二つの武器を頼りに競って「正解」にたどり着こうとしますが、もちろんそれは容易なことであるはずはない。

ところがこれまでの3問をみると、たくせんさんがいち早く第1問で、梵天丸さんも苦しみながらも第3問で「正解」を手にされました。さらにsekaigoさんは第1問で、またかささぎさんも第3問で「正解」に触れることができました。となれば、常に真理を探る仕事に従事されているかささぎさんあたりが「バットにかすりもしなかったのは誰や?」と声高に公衆の前で問い質しているのではないかと、愚生は毎日苛まれることになります。もちろん、品格優れたかささぎさんがそんなことをするわけはないのですが、勝手に怯えまくり、奈落の底に落ち込んでいくのが愚生たるゆえんです。近いうちに衆議院が解散される頃、姫の言葉がいつしか「魔女の呪文」にうち変わり、青木が原あたりを彷徨し疲れ果てて樹海の奥に横たわり、アカシヤの雨がやむ頃ひっそりと愚生は息絶えることでせう。

さて、遺言もどきの口上はこのあたりで止め、前3問とは少し趣が変わった第4問をご紹介しましょう(出題図=1〜31)。黒は恩田烈彦八段、白は中国か韓国だかの張セン(王篇に旋)強豪。左上の大ナダレ外マガリ定石は白が3子を捨てて、a(5−四)抜きとb(2−八)を見合いに中央に強力な厚みを形成。白6のカカリを黒27・29と攻めたのを白は手を抜き、30と上辺の模様を広げる好点に先着して黒が31と受けた局面。

「右下も忙しいが、全局的に見れば焦点は右上。二間トビの黒が薄い形だから、白が仕掛けるチャンス」と、シュー子姫はのたまいます。これまでと違ってヒントは具体的で、感覚より読みが問われそう。一手だけではなく、できればその後の手順や狙いなどをお示しいただければありがたい。愚生はこの手の問題が最も苦手です(「ならば得意なのはどんな問題?」などと突っ込まないでチョンマゲ!)。

亜Q

(2012.9.2)


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