坂井秀至−小林覚戦の布石(秀行合宿で)

今年の夏の秀行合宿での一局の布石部分だけを解説します。
坂井秀至氏が黒番で、 白10のカカリに対して、黒11、白12の交換をして、黒13とツケたところである。

坂井氏の地に辛い棋風からして、白1のハネは黒の注文。

そこで、白1と隅にツケたい。以下、白11までとなると、今度は白の注文どおり。

したがって、白1のツケに対しては、黒2とツキアタってくる。 以下、白14まで定石であるが、黒Aからシチョウなので、白つぶれである。

そこで、実戦では、白は右上隅を保留して、左下隅に白1とシチョウアタリに黒を挟んだ。 多くの棋士は、ここで、黒Aとコスムらしい。

しかし、坂井氏は右上での折衝をすべて見越して、黒1とツケた。 この一手を見て、覚氏は坂井氏のただ者ではない強さを実感したとおっしゃっていた。 ここで、白Aは、黒Bと打たれて左隅の損が大きすぎて打てない。

実戦では、白1のハネコミから図のように進んでいったが、左下隅の白がうまく封鎖されてしまった。 (左下隅の折衝も解説していただいたのだが、このページ作者の棋力が足りずに、おぼろげになってしまいました。申し訳ありません。)

(2001.9.2)


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