林定石の研究その2(小林健二 七段監修)


黒Aのノビはやや甘い。そこで、黒1とハネるのが厳しい手である。 しかし、それでも白2とサガルのが林定石である。

黒1のキリに対して、白2と上からアテ、通常の定石どおりの黒11のキリに対しては、

白1とキリ、以下白7まで、白がやれる。

白はより厳しく、白1と打つこともできる。

黒1以下、白8が厳しい。

途中、黒3とトンでも、やはり、白10のキリが厳しい。 さらに、白Aが利きで、隅はこのままで生きている。

結局、黒はすぐに切ってもよくならないので、黒1とカケツグぐらいである。すると、白も白2とカケツイで一段落である。 今のところ、この形が、五分だと考えられているが、白を持ちたいという棋士もいる。

実戦例。第3回竹林杯林海峰九段(先番)−高尾紳路七段の一局。 林定石のデビュー戦である。 黒21は大竹九段絶賛の一手。

第26回名人リーグ林海峰九段(先番)−趙善津九段の一局。 今度は黒21と押した。

第26回名人リーグ小松英樹九段(先番)−林海峰九段の一局。 今まで、林定石が打たれたのはこの3局だけである。今後、はやるかもしれない。


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