ケンジ先生のヘボ・ザル矯正ギプス(その3)


第三譜
ヘボ:白30以下黒35までの右下の折衝はこんなものかな。善悪不明だね。

ザル:まあ、こんなもんじゃないですか。

ケンジ先生:そうですね。白34の一間トビですが、次に白36と肩ツキを打つのでしたら、 打たないほうが良いですね、黒35との交換によって、白Aに詰める手を無くしています。

ザル:一間にトンどかないと、どうも不安で。

ケンジ先生:黒に地を与えて、白を強化したからには、白Bと打ち込むべきところです。

ヘボ:右上の折衝は基本的に白が重く、黒にチャンスを与えたね。
作戦の分岐点となった白36は好手だと思うが、白38以下は私には打てないね。 肩ツキの発想は、右上黒を軽く制限して、左辺から中央へのスピードの重視だろ。 当然白38は一間トビ。黒がどのように対応しても中央重視の精神を貫くべきだね。

ザル:一間トビと、ノビとはそれほど変わらないと思うが、次の一手を7十一ぐらいに 囲えということですか、それでは天元近辺に打たれて地が足らない。 ただノビのではなく、白Cにツケるのも一局かと思うが。

ヘボ:白40まで4線を3本押す意味はどこにあるのかな。ここで勝てそうな気がしたよ。

ザル:黒41に曲がられるのがえらく大きく見えんですが、今考えるとそうでもないですね。 後手ですし。

ケンジ先生:白40は余計ですね、隅に対する味がなくなります。

ヘボ:白42は中途半端だよ。ここは、一路右または左に寄せたいね。 右に寄せたときの狙いは、黒に受けさせて左にトブ。

ヘボ:当然黒は裂いてくるでしょう。

ザル:そのときは、白も右辺を荒らしながら全局的な戦いになるんじゃない。

ヘボ:一路左に寄せるというのは、右上はじっくり力をためたのだから、 手堅く中央を固めるという考え。あるいは手を抜いて、白Dあたりに備えるのも有力だと思うよ。

ザル:それじゃ、天元あたりに消されて地が足らないと思うんですが。 ここはやはり、白42の位置がベストじゃないですか。

ケンジ先生:ザルさんの言うように白42が最適です。白40ですぐに白42です。

(つづく)


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