梵天丸のヘボ手散策 解答

参考図1

 それでは私なりに納得した我がヘボ手を披露させて戴きます。

 その前にM氏は若干21歳の好青年で、アドバイス中、疑問手とか、ましてや悪手などとの言葉は一切言っていません。「その手は小さいです」、「もっと急場があります」、「私ならここには打ちません」、「白を強くしているだけです」等の言葉の中から、「ははーん、疑問手と悪手だな・・・」と自戒を込め理解した次第です。碁風やら趣向やらとの境界は正直よくわからない部分がありますが、悪しからずご了承ください。

 まず黒24です。かささぎさん始め多くの方がご指摘のように右上隅で後手を引き白25と手を戻されたのは大いに逸機で、断固参考図1のように戦うべきでした。パパさんご指摘のようにこれで黒16の顔が立ちます。黒24は白から出に備えた手ですが、出たら黒緩めて返って厚くなります。24は上辺一帯が厚くなるので悪手ではないにしろ立派な疑問手だと思います。

 黒16についてコメントさせて戴きます。この手は定石途中(白はカケやハサミを保留して右上隅の受け具合を見ている)での白の策動を察知し、カケやハサミ等の利きを封じ、白25に手を戻して下さいと主張している手です。少々生意気な感はありますが普通の手だと思います。余談ですが、覚先生との指導碁でこの手を打ったところ、「白を本気にさせる手ですね。勝率は返って悪くなるかも(笑)」と局後に言われた事がとても印象に残っています。

参考図2

 次は黒26です。この手は右辺は裾が甘いので囲う気にならず、模様を広げた堂々の一手と思っていましたが、疑問手との判断に至りました。M氏が黒26は自分は打たない、自分なら左上星から小ケイマにしまる(参考図2のA)と言った時、碁風(地の好きな?)の違いかなと思いましたが、色々質問していくと黒26の「罪深さ」が段々分かってきました。ともかく白の鉄壁に近寄りすぎている。裏からくすぐられた時、利きが全くない。実戦でも黒8,12,16の3子と26の連絡のため一手かけさせられています。(亜Qさん・鉄拐さんお見事!!)白5の開きが一路広い(B)と黒26はまずまずの手になるようです。(白5の位置に横付け等あり)

参考図3

 たくせんさんご明察のとおり悪手は36のノゾキです。一方的被告のはずの白が、黒を分断し逃げ逃げの体制になった原因がノゾキです。分断はなんとしても避けるべきでした。かささぎさんの38で連絡する選択は、白に右辺を開かれ楽をさせるようで気が進みません。参考図3のようにノゾカず攻めるところかと思います。

 黒32、34は参考図3と同じ意図ですが、黒26との連絡を一手かけて確かにした手です。これがないと16の左にハネられ黒3子がダメつまりになり、簡単に白にさばかれたり、隅の黒石と切り離されてしまいます。打ちたくないが致し方ないかと思いました。

 序盤の2〜30手はそこそこ打てているのではなどと思っておりましたが、大いなる錯覚であることが分かりました。今回の出題が皆さまの棋力アップに少しでもお役にたてればと思っております。お付き合い戴きありがとうございました。

梵天丸

(2011.9.11)


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