耳赤恥の一手 梵天丸編パート2F

第七譜 (106-181)以下略

 私の打った手はC(15―四)と出て、押さえと交換してから上からの覗き(黒108)でした。中央と右辺が何とか破られずに事なきを得ました。B(16−五)とツグ手はあたりまえの手ですが、白14―六(108の位置)と中央にコスまれて中央ラインは封鎖できないと思います。またA(15―六)は2段にハネられ中央が止まりそうにないと思いました。

参考図1
参考図2

 5/30(土)の千寿会で、黒106(C)と出た時に白に13−五か12−六(111の点)と外されて中央が破れているのではとのご質問がありました。先生が打たれなかった手ですので、指導を受けている小生が変化図を作るのは大変おこがましいのですが、ご質問ごもっともと思い2〜3検討してみました。(耳赤への出題にあたっては、このような「あひるの水掻き」が結構あるのですよ!皆様! でも、それが私の棋力アップに確実に繋がっているとも思っていますが・・・)参考図を2つ作ってみました。エイヤーと私の出した結論は、一応中央も右辺も止まっている。本譜(Cと出たときに白おさえ)との損得は大きな差はない。むしろ上辺黒が締め付けている分黒有利な分かれかなと思いました。また中央黒地と上辺白地の荒らし合いは、黒に断然有利であることも先述の計算ソフトで確認しました。(要は、上辺は白が減り黒が増える。中央は黒は減るが白は増えないので一手の価値が倍違うようです!)

 あとは大きなヨセも残ってなくお互いの権利の手を打ち進め円満にも「ジゴ」と相成りました。この碁に関しての先生の感想。「中央が大きすぎてとても足りないと思っていたのに、細かくなり最後は「勝ち」まで見えてきて「こんな碁勝っちゃうのかな・・・」と思っていたとの事でした。

 私がこの碁から学んだ最大の事は、右下の黒54。「こういうところは(他に打ちたいところがあっても)下辺に受ける一手です」と言われる意味が分かったような気がします。ワカレの途中の急所で手を抜いた為にそれまで打った手を台無しにし、フラフラしていた白をいっぺんに強い石にしてしまった罪は相当重いのだとつくづく思いました。まさにタイトル「耳赤・恥の一手」に相応しい一手ではありました。

 これで指導碁2局(貴公子先生、丈先生(本譜))披露させて頂きましたが、貴公子先生との碁は、できすぎ(憑依)の碁、本譜は私の実力(急所や本質の理解不足)がでた碁と思っています。

 皆様のご参考になれば幸いです。

 指導碁を打ち、想を暖め、稿を練りますので、またの機会におつき合い頂ければと思っています。皆様のご投稿、ご意見の中には全く思いもつかない着手や考え方があり、毎回非常に勉強になったり、困ったりでした。もっと自分の意見を出した方が面白いとのアドバイスも戴いており次回の参考にさせて頂きます。

 おつき合い頂きました、皆々様ありがとうございました。

梵天丸

(2009.6.1)


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